Ivy Bridgeの熱問題 個体による温度の差

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Ivy Bridgeの熱問題 個体による温度の差

Ivy Bridgeが発売されて約2ヶ月が経過し、当店でもデータがそれなりに揃ってきたのですが、C2D~Sandy Bridgeの頃には見られなかった温度の個体差が目立つので取り上げてみたいと思います。

i5 3570K 3.4GHz 高温個体 リテールクーラー使用

 

最高温度 82℃ (室温28℃前後)
※3DMark06を3回連続でテストし、CPUが暖まった状態での高負荷時温度を計測しています。

 

当店ではC2Dの時代から販売したすべてのPCの温度を計測しているのですが、リテールクーラーとはいえ80℃超えとなるとこれまでLGA1366のi7 900系以外ではありません(タワー型。また、現行ハイエンドのLGA2011も高発熱と思われますが、リテールクーラーは付属していないのでリテールクーラーでの温度は未計測です)。

 

室温は28℃ぐらいだったので、C2D~Sandy Bridgeでリテールクーラーだと最高値は65~70℃前後が一般的です。

 

Ivy Bridgeでもこの時点ではその他の個体の温度傾向は従来の65~70℃前後と変わらなかったため、Intelさんと協議の上この高温個体は不具合品として処理し、別の個体へ新品交換しました。

 

CPUを別の個体に交換して計測

 

最高温度 70℃ (室温28℃前後)

 

これは同じパソコンのCPUだけを交換したもので、計測時の室温など条件も変わらないのですが、その差は12℃と大きな差となっています。ここまでは不具合品として認められたこともあり特に問題はなかったのですが、i7 3770Kでも高温個体が発見されました。

 

i7 3770K 3.5GHz 高温個体 TRINITY2011使用

 

最高温度 68℃ (室温25℃前後)

 

温度自体は68℃とそこそこなのですが、CPUクーラーにTRINITY2011を使用してこの温度というのは少し高い気がしました。この時期日々の外気温の変化が激しく、このときの室温は25℃前後。通常であれば60~62℃あたりに収まるのではないかと思い、一旦TRINITY2011を外してリテールクーラーで計測してみました。

 

高温個体のCPUクーラーをリテールに変更

 

最高温度 92℃ (室温25℃前後)

 

まさかの90℃超えです。これも不具合品かと思い、別のi7 3770Kに交換してリテールクーラーで再度計測を行ってみたのですが、ここでも89℃と非常に高い数字を示しました。稀にある1個ということなら不具合品だと思うのですが、当店での販売量ぐらいでi5 3570Kを含めて3個となるとこれはもう不具合品ではなく仕様だと思います。

 

参考 i7 3770K 3.5GHz TRINITY2011使用

 

最高温度 54℃ (室温20℃前後)

 

室温が異なるとはいえ、高温個体との温度差は14℃と大きな差です。

 

今のところ当店での高温個体はi5 3570Kとi7 3770K以外には見つかっておりませんが、当店では定格でテストを行っておりOCでの状態ではないので、その他のモデルも高温個体があるのではないかと思います。

 

原因

おそらくではありますが、Ivy Bridgeになってから変更された冷却構造に問題があるのではないかと思います。CPUはチップをヒートシンクで覆っているのですが、Sandy Bridgeまではこのヒートシンクは溶接(ソルダリング)されていました。

 

しかし、Ivy Bridgeからはグリスを挟んでの圧着となっています。このグリスの質や塗りが悪いのか、ヒートシンクとの圧着精度に問題があり、温度の個体差に繋がっているのではないかと思います。

 

あるいは、グリスの熱伝導力が低く、一定温度までは問題無く放熱できても一定を超えると温度が蓄積されていき、ヒートシンク内の温度が高くなることでさらなる高温に繋がっているのではないかと思います。これだとすべての個体が該当するのですが、一定温度まで上がりやすいクロックの高いモデルや、周辺温度の影響が大きくなります。

 

TDP自体はSandy Bridgeと比べて下がっており、実際の消費電力も高負荷時で10~20W前後下がっています。そのため、CPUのチップ自体は発熱が高い仕様ではないと思われるのと、C2D~Sandy Bridgeでは大きな個体差は見当たらなかったので、どちらにせよ変更された冷却構造が影響を与えているものと思われます。

 

おそらくIntelはCPUチップの発熱が下がったことで熱伝導力の高いソルダリングの必要性はなく、グリスで十分との判断で冷却構造が変更されたと思うのですが、ここまで大きな個体差が出てしまうというのは残念です。

 

また、冷却構造の変更はコストカットの意味合いが強いと思うので、今後ロットやリビジョンの変更でIvy Bridgeがソルダリングに戻るということは難しいと思います。

 

参考 i7 3770 3.4GHz リテールクーラー使用

 

最高温度 68℃ (室温25℃前後)

 

スペック上はi5 3570Kとほぼ同様。HTが有り、ターボブースト時のクロックが0.1GHz高いので、温度はi5 3570Kと同等か少し高いぐらいになるはずですが、i5 3570K 高温個体の方が温度が高い。

 

参考 i7 2700K 3.5GHz リテールクーラー使用

 

最高温度 60℃ (室温20℃前後)

 

エアフロー(PCケース)や周辺の発熱体(ビデオカードなど)にもよりますがSandy Bridgeはどれもこの辺りで安定します。室温が30℃前後でリテールクーラーだとCPU温度は70℃前後です。

 

まとめ

 

Ivy Bridgeは温度に大きな個体差があり、どれに当たるかは運次第になります。残念ながら仕様である以上、高温個体を変更することはできません。そのため、Ivy Bridgeを選択する際はリテールクーラーではなく、別のCPUクーラーを選択することをオススメします。

 

Sandy Bridgeにはこのような大きな個体差は見当たらないため、あえてSandy Bridgeを選択するか、ハイエンドのLGA2011も発熱自体は高いものの個体差は見当たらないのでこちらを選択されることを視野に入れても良いと思います。

 

2012/6 BTOパソコンショップ BTO高知

 

追記

これまでの傾向によると、メモリーに1333を使用したときと1600を使用したときでは1600の方がCPU温度が高くなる傾向があります。これはメモリーの動作クロックが上がることでCPUがフル回転し、発熱量が増えるためと思われます(CPUのベンチも1333と1600では1600の方が若干上がります)。

 

また、長いビデオカードを装着するとCPU周りのエアフローが悪くなり、温度が高くなる傾向があります。


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